講座詳細
アニメーション文化講座(第10回) テレビまんが雑誌とアニメブーム
―テレビランド・アニメージュからスタジオジブリへ
講座趣旨
三鷹の森ジブリ美術館 協力 “第10回アニメーション文化講座”
テレビまんが雑誌とアニメブーム―テレビランド・アニメージュからスタジオジブリへ
かつてアニメは特撮作品と密接に関係し、「テレビまんが」と総称されていました。そしてあくまで「子どもの観るもの」で、いつかテレビまんがから卒業するのが常識でした。しかし、1970年代末から始まったいわゆるアニメブームの時期、その常識は激変します。『宇宙戦艦ヤマト』や『機動戦士ガンダム』などの作品に多くの若者が熱狂し、アニメはティーン以上が楽しめるメディアとして社会的に認知されるようになったのです。日本初の本格的アニメ専門誌「アニメージュ」はこんな背景を元に、1978年に誕生したのです。専門誌の登場によって、アニメブームはさらに加熱し、拡大します。そのひとつの果実として、高畑勲監督や宮��駿監督の再評価が進み、「アニメージュ」での原作マンガの連載をきっかけに宮��監督の映画『風の谷のナウシカ』が作られ、大ヒット。そしてスタジオジブリの誕生へと時代は大きく進んでいくことになります。
今回は、スタジオジブリが発行する小冊子「熱風」に「昭和アニメージュの功罪〜テレビまんがの死と再生」(2022年5月号〜2023年4月号)を連載した氷川竜介さんを講師に招き、特に、雑誌メディアと映像作品の特別な関係が日本のアニメや特撮の進歩に大きな役割を果たしてきた事実にスポットを当てて、日本のアニメ史の最も熱かった時代の重要性を今までにはなかった視点で語っていただきます。
講座概要
| 講座日程 |
2023年11月14日 (火) 〜2023年12月 5日 (火) |
|---|---|
| 時間 | 下記をご確認ください。 |
| 定員 | 40 人 (先着制) |
| 回数 | 4回 (通し受講のみ) |
| 受講料 | 一 般 3,000 円 市 民 2,400 円 市民在勤・在学 2,400 円 市 民 学 生 1,800 円 会 員 1,500 円 |
| 難易度 | ★★☆ |
| 会 場 | 下記をご確認ください。 |
| 受付期間 | 10月17日(火)午前9時30分〜11月12日(日)午後5時 |
※スクロールしてご確認ください→
| 日程 | 開催時間 | 会場 | 担当講師 | 内容 |
|---|---|---|---|---|
| 第1回 11月14日 |
19時00分〜20時30分 | 三鷹ネットワーク大学 | 氷川 竜介 高橋 望 |
総論 「テレビランド」と「アニメージュ」。その誕生と、それらがもたらしたもの テレビまんが隆盛の1970年代初頭に誕生した専門雑誌が「テレビまんが」雑誌です。そこでは、テレビで活躍する特撮ヒーローや巨大ロボットの活躍がカラーグラビアとモノクロのマンガとで紹介され、子どもたちの熱狂を消えないものとして定着させたのです。実は、アニメ専門誌である「アニメージュ」は、同じ版元(徳間書店)から発行されていたテレビまんが雑誌「テレビランド」を母体に生まれたという背景があります。 氷川さんに、2つの雑誌の誕生前夜の状況とその出現がもたらしたものは何だったのかを語ってもらいます。 |
| 第2回 11月21日 |
19時00分〜20時30分 | 三鷹ネットワーク大学 | 青柳 誠 氷川 竜介 高橋 望 |
座談会1 テレビまんがと雑誌の深い関係。石森プロ作品と「テレビランド」 テレビまんがの時代、大きな役割を果たしたのがマンガ家・石ノ森章太郎です。石ノ森は、『サイボーグ009』や『仮面ライダー』シリーズなどの原作者として知られていますが、それだけではありません。石森プロは、多くのテレビまんがの企画・制作にも深くかかわり、一方で「テレビランド」などの雑誌とも様々な協力関係を築いていきました。 当時の事情に詳しい青柳誠さんを招き、テレビまんが雑誌がアニメや特撮番組と密接な関係をもっていた時代を振り返ります。 |
| 第3回 11月28日 |
19時00分〜20時30分 | 三鷹ネットワーク大学 | 渡邊 隆史 氷川 竜介 高橋 望 |
座談会2 テレビまんが第一世代が担ったアニメブーム後の出版メディア 70年代後半、アニメブームを経ることで、時代はテレビまんがとテレビまんが雑誌の時代から、アニメとアニメ専門雑誌の時代へと急速に変化していきます。その時に出版の現場を担ったのが、未就学児童の時期からアニメや特撮番組に親しんできた「テレビまんが第一世代」でした。氷川さんと同世代で、「アニメージュ」と「ニュータイプ」、2大アニメ雑誌の編集長を務めた渡邊隆史さんを招き、第一世代がけん引した「僕らの時代」を熱く語ります。 |
| 第4回 12月 5日 |
19時00分〜20時30分 | 三鷹ネットワーク大学 | 氷川 竜介 高橋 望 |
まとめ テレビまんがの「死」とスタジオジブリの誕生 アニメブームの中で生まれた「アニメージュ」は、雑誌として人気作を扱う受動型に留まらず、独自の映画制作に力を入れて発信型に変化します。それが徳間書店を母体とするスタジオジブリ創設に繋がりました。テレビまんが、「テレビランド」と「アニメージュ」、そしてスタジオジブリへの流れを氷川さんに総括してもらい、得られたものの大きさと同時に、「特撮」を切り捨てたことで失ってしまったかもしれないもの、もう一度着目しなければいけないこともあるのではないか――そうした観点で、将来像を探っていきます。 |
講師
| 氷川 竜介(ひかわ りゅうすけ) | アニメ特撮研究家 / 明治大学大学院特任教授(2024年度から復職予定)
1958年、兵庫県生まれ。東京工業大学卒。1977年に月刊OUT「宇宙戦艦ヤマト特集」でデビューし、黎明期のアニメ特撮出版、レコードに関わる。IT系企業で通信機器開発に携わり、国際標準化活動の経験あり。文化庁メディア芸術祭審査委員、毎日映画コンクール審査委員などを歴任。文化庁向けに「日本特撮に関する調査報告書」「日本アニメーションガイドロボットアニメ編」を執筆(共著)。主な編著等:『20世目のザンボット3』(太田出版)、『世紀末アニメ熱論』(キネマ旬報社)、『細田守の世界―希望と奇跡を生むアニメーション』(祥伝社)、『日本アニメの革新 歴史の転換点となった変化の構造分析』(KADOKAWA)など。 |
| 青柳 誠(あおやぎ まこと) | 石ノ森章太郎ファンクラブ会長
石ノ森先生の原稿管理、テレビ番組の企画スタッフなどを担当。 のちに出版社に転職、『コミックWOO』『週刊サンケイ』『週刊SPA!』の編集を経て、管理、営業部門に異動。2010年に定年を迎える。 |
| 渡邊 隆史(わたなべ たかし) | 元アニメージュ/ニュータイプ編集長
1959年生まれ 栃木県宇都宮市出身。徳間ジャパンで「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」などのアニメ音楽ディレクターを経て、徳間書店アニメージュ五代目編集長、Gazo編集長。角川書店ニュータイプ編集長、特撮ニュータイプ編集長に。映像プロデューサ−としてアニメ映画「時をかける少女」「サマーウォーズ」「おおかみこどもの雨と雪」に高橋望氏と共に参画。グロービジョンで音響制作を経て、現在、KADOKAWAアニメーション文化研究担当。オーディオブックディレクター。 |
| 高橋 望(たかはし のぞむ) | 映画プロデューサー
1960年東京都生まれ。1983年徳間書店に入社し、『テレビランド』『アニメージュ』などの編集を担当。89年にスタジオジブリに出向、『おもひでぽろぽろ』(91年)『紅の豚』(92年)『千と千尋の神隠し』(01年)などの制作や、『海がきこえる』(93年)『猫の恩返し』(02年)などのプロデューサーを務める。その後、日本テレビ映画事業部へ。『ALWAYS 三丁目の夕日』(05年)シリーズや、アニメーション映画では『サマーウォーズ』(09年)など細田守監督作品をプロデュースした。現在は、「アニメージュとジブリ展」の監修者を務める。 |